くちなし 

 昨年初夏に当薬局に用意したクチナシが今年も蕾を付け、花を咲かせる準備が進んできました。クチナシの学名はGardenia jasminoides と表記されるように、ジャスミンのような香りを放ちます。

クチナシの実は中医学では消炎、止血、利尿作用、鎮静、不眠、精神不安定などに効果があるとされ、山梔子(サンシシ)の生薬名で処方されます。また、疲労回復効果や防腐効果を期待して江戸時代の旅のお供品とされたようです。着色料としては実から抽出された黄色エキスを利用され、食品の色付け、染料に使用されます。

当薬局にある種類は観賞用として品種改良されたセイヨウ八重咲クチナシ;ガーデニアになります。香りのプリンセスと命名されるほどの甘い香りがします。

今の時季は花粉症でお鼻がムズムズ不快ですが、ピークが過ぎて落ち着いた初夏にはまたうっとおしい梅雨入りで気分が上がらない時に、クチナシの真っ白い花と甘くエキゾチックな香りがお鼻に漂い、リラックスしていただけたら幸いです。

花言葉は『喜びを運ぶ』です。

その時には皆様に癒しがもたらされますように。今から待ち遠しいです。